精工堂(せいこうどう)は、父村上一郎さんが昭和22年に時計店として創業した。呉市での修行中、戦争に応召。戦後間もなく因島土生町に店を構えた。
二代目店主の村上光さん(67)は、父と同じ呉市で修行。5年後に因島にもどり、父の下で働くことになった。35歳になると店の中心は光さんに移った。
時計店としてスタートした同店は事業を、時計・眼鏡・宝石・補聴器・介護用品・福祉器具・医療器具などの小売販売と修理へと広げてきた。また注文があれば住宅改修・改善にも応じる。最近は補聴器のお客さんが増えている。
時代を反映して島しょ部の同業者は、減少の一途をたどってきた。因島には6店舗、生口島と上島町はいずれもゼロになった。また少子高齢化が急速に進んでいる。
こうしたなかで同店が力を入れているのが、従来から行なっていた出張販売である。自宅、病院、施設を訪問し、補聴器・眼鏡・時計の販売と修理・調整を行なう。
今後、高齢者の運転免許証の返上が増えることが予想され、出張販売の必要性がいっそう高まるだろう。
三代目由光さん(34)が店長として店を守り、光さんが出張活動をする。
経営理念は明確である。小さい店は、経営者の資質と能力次第である。地域で必要とされるお店でありつづけることが目標。
地域が良くならないと店は良くならない。店は今、地域に助けられている。地域の役員やボランティア活動を精一杯やらせてもらっている。
【問い合せ】精工堂 尾道市因島土生町1454、TEL0845-22-1101、ホームページはコチラから。
写真=左から美津子さん、三代目由光さん、二代目村上光さん