去年の今頃、仕事の帰りに千鳥ヶ淵へ夜桜を見に行った。運転免許に合格した次の日で、まだ協力隊に応募していないのに気持ちはすでに瀬戸田にあった。東京の花見はこれで最後だと勝手に感傷に浸り、その気持ちも相まってか、とても綺麗な夜桜だった=写真。東京の喧騒に飽きていた私にもまだ知らない東京があったんだなと、離れるのが少し寂しくなった。もう一度言うがこの時点でまだ協力隊に応募していないが、とにかく移住したい思いが溢れている時期だった。
そして初めてむかえる瀬戸田の春、一番驚いたのが霧だ。島全体が霧で覆われているのではないかと錯覚するほどで、いつもと違う雰囲気はどこか幻想的だ。反面フェリーが欠航するなど生活に支障をきたしており、橋のありがたさを実感する。しかし橋が架かっていない時代はどうしていたのだろう?と思いその時代島外の高校に通っていた人に話を聞いたところ「本土に住んでいる恋人の家に泊めてもらった」とのこと。なるほど。いや、もてる人はいいけど恋人のいない人はどうしていたのだろう?もてない友達同士でお泊り?いつの時代も恋愛格差社会は縮まらないようだ。