茶臼山城跡(因島中庄町茶臼)
釣島箱崎浦の戦いの今岡通任の将、大鳥義直の居城と伝える。
大山トンネルを南から抜けて、新しくできた消防署の前の交差点で車が止まったら、左前方を見てみよう。
あるいは、水軍城入口付近からなら西の方を見上げよう。
標高126メートルの形のよい山が茶臼山城跡である。山頂には段階状の平地があり、頂上付近に「茶臼城主碑」と刻まれた石がある。西浦峠(青影トンネルの上)から北に伸びる送電線の鉄塔の近くである。
ここは島前城主今岡通任の配下の大鳥氏が守った。大鳥氏一族は今岡氏とともに、釣島箱崎浦の戦いで、村上師清軍と戦って敗れた。
大鳥氏の子孫が後に改姓して松浦氏となった。石名松浦氏である。さらに分家して、釜田松浦氏と徳永松浦氏になった。
消防署の西を少し上がったところに石名松浦氏の先祖碑が、小林氏の先祖碑とともにある。かつて茶臼山にあったというので、捜した。その周辺を何度回っても見つからず、結局近くの人に案内してもらった。池をめぐる古い小さな道の跡らしきものが近くにあった。
(写真・文 柏原林造)