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79歳老人のフーテン 2023東北の旅【18】5月12日⑦雄勝復興の感想

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2023年5月12日(金)⑦雄勝復興の感想

雄勝町の道の駅と雄勝湾(筆者撮影)

大津波という試練を受けた宮城県石巻市雄勝(おがつ)町の復興計画の概要が見えるようになり門外漢なりの感想を述べてみる。

雄勝湾の最深部が港になっている。三陸海岸の干満差は大きくて1メートル程で、海面から2メートル程の高さに幅7~8メートルのセメントで固められた道路が道の駅を過ぎたあたりから1キロ近くも続いている。

この海岸の道路は小型漁船なら縦付け・横付けが可能で作業もでき車も入れる便利なものである。だがその道路の片側は6メートルの防潮堤が直角の壁になって続いている。何故か無言の圧迫感がある。大海原で自由に漁をしていた漁師には私以上に圧迫感を感じるものがあろう。

壁の向こうは土で埋め山の斜面まで平地を造成してその上に道の駅がある。

道の駅の奥から円を描くスロープの坂道で海岸道路に下りてくるように作られている。海岸道路には1か所、舟を揚げる滑りが設けられている。津波対策を考慮したそれなりの工夫が感じられる。

ところが道の駅から先の海岸線に沿って伸びる道路の海側には6メートルの防潮堤が立っている。防潮堤によって海と陸とを隔絶してしまっている。巨大な防潮堤の中を歩くがこの向こうには海があるのだという肌感覚は全く持てない。

海を見て、海とともに生きている雄勝の人たちはほぼ不満を口にする。この壁を見ると漁業を続ける意欲がなくなる、人家も無くなったのに不必要な壁を作っている、等々。今は防潮堤の壁面に海岸の風景のような絵が描かれお茶をにごしている。

雄勝の復興計画では大部分の海岸線は防潮堤で囲い込み、一部分は防潮堤まで土砂で埋め平地を作って、そのまた高台に宅地をつくるものだ。

震災前の雄勝の人口は5千人いたが、現在は1千人までに減少している。驚異的な減少率である。現在は石巻市に合併されているため、この減少率は世間の知るところではなくなっている。生粋の雄勝の人には無念なものがあろう。

津波の最高到達点は20メートルを超え、犠牲者は243人に達している。

もともと陸の孤島と言われる地域で基幹産業の漁業は先細りである。そして復旧工事があまりに遅れたためしびれを切らして、雄勝を見限った人たちがいることがいかにも残念である。

石巻市の観光案内所で雄勝の話題になり、人口減少が凄まじいのだと話していたが、スタッフ同士が話始め話題が雄勝の知合いなのであろう、その人が雄勝から福島に転出して現在は第一原発の廃炉工事で働いているのだと言っていたのが思い出される。

(田中伸幸・因島田熊町旧田中書店)

筆者近影

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広島県尾道市因島重井町5800-42
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