生活習慣病はサイレントキラー
臨床検査科 村岡みはる
生活習慣病について検査技師の立場からお話ししたいと思います。
その前に「臨床検査技師」ってご存知でしょうか?
検査技師は血液や尿などの検査、顕微鏡での細胞の観察、心電図・超音波検査や視力・聴力検査などを行い、皆様の健康を見守る技術者です。
私たち技師は、医師が的確な診断を行えるように正確でかつ迅速に検査結果を提供できるよう日々努力しています。
生活習慣病とは、その名の通り生活習慣が原因で起こる疾患です。皆さんは「コレステロールの値が高いです」と医師や健康診断で指摘されても、自覚症状がないからってほったらかしにしていませんか?血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高い事を「脂質異常症」と言います。
コレステロールは体には必要なものです。肝臓で作られたり、食事から摂取されたコレステロールを運ぶのがLDLです。そして余分なコレステロールを回収するのがHDLです。回収しきれないコレステロールは血管や細胞に溜まり血管を狭くしたり固くし動脈硬化の一因となります。そのためLDLは「悪玉」と呼ばれ、LDLコレステロール値の上昇と動脈硬化の進行には密接な関係があるという事です。
「脂質異常症」は痛くもかゆくもありません。そのため生活習慣病はサイレントキラーと言われ、静かにあなたに忍び寄ってきているかもしれません。年に一度は特定健診を受け、自分自身の健康管理を数値で確認しましょう。
「脂質異常症」の診断には、血液検査が不可欠ですが、動脈硬化の検査として「脈波検査」や「頸部血管超音波検査」もあります。コレステロールが高いと言われたら、一度その検査も受けてみましょう。当院でも受けられますので内科へご相談ください。
※基準値=LDLコレステロール=140mg/dl以下、HDLコレステロール=40mg/dl以上(日本動脈硬化学会ガイドライン2012より)
恒例の病院まつりを今年も7月21日(土)10時から行います。健康に関するイベントをさせて頂きますので、是非ともお寄り下さい。