白滝山に230人、7時20分ご来光。紅い太陽が東の空を染めた=写真上。
白滝山山頂で東を見ていると、かつて因島村上氏が13年間本拠地とした向島・余崎城跡、因島の歴史の最大の転換点となった因島大橋、そしてそれ以上の歴史を持つ備後灘が夜明けとともに姿を現してくる。
午前7時20分、寒さの中を待っていた230人の前で元旦の太陽が顔をだした。昨年と同じ時刻だ。
今年の初日の出は期待できそうもないという報道が年末にあったせいか、あるいは単なる年末のムードのせいか、昨年より減った。善興寺での除夜の鐘に集まる人も1年前よりも減っていたので、総選挙あたりのシラケムードを引きずっていたのではなかろうか。
山陽道の上り線は2日から増え始め、早くもUターンが始まった。帰省の形態も変わろうとしている。スマホの普及は都会の日常から分断されることなく帰省できることになったが、帰省中の行動も狭めたのではなかろうか。
そんな中で、遠くは千葉あるいは向島、島内、地元重井町から二百人を超える人が狭い山頂に集い、ご来光を拝む姿は新鮮である。
人それぞれ思いは異なるであろうが、寒気の中、早朝の登山をしようという気力があるだけでも健康の証であり、言祝ぎたい。また、お菓子、みかん餅コーヒー、ココアのお接待で盛り上げてくれた因島白滝公園保勝会の方々にも感謝したい。
(写真・文 柏原林造)
因島三庄町8区妙見公園でも、元旦早朝、町内各地より約50人と犬4匹が集り、燧灘(ひうちなだ)からのご来光を拝んだ。(写真提供・村上憲治)